ドクターズコラム

インプラント周囲炎にならないためにメンテナンスが大切です

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インプラント治療をうけると、自分の歯のように噛めるという利点があるため、当院でも多くの受診者の方がインプラントを選択しています。また、インプラントは機能性(噛み心地)だけでなく審美性も高い治療のため、今後もインプラント治療を選ぶ方は増えていくと思います。
一方でインプラント治療をうけるまえに皆様に知っていただきたいことがあります。それは、インプラント治療後にはメンテナンスが大切だということです。メンテナンスを怠ってしまうと、「インプラント歯周炎」とよばれる炎症を引き起こすことがあります。


インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎とは、インプラントと周辺の組織に細菌(プラーク)が溜まり、歯茎や骨に炎症が起きてしまうことを言います。
インプラント治療後にその周辺のメンテナンスを怠り、インプラント周囲炎になってしまうと、グラグラと揺れて不安定な状態になったり、インプラントの周りの歯肉が腫れるなどの症状が起きてしまいます。そのまま放置してしまうと、インプラントの周辺の骨が溶けだし、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
さらに、インプラント周囲炎は、思った以上に早いスピードで進行します。人工歯であるインプラントには、細菌の侵入を防ぐ歯根膜というバリアがありません。そのため、骨まで細菌が到達しやすく、進行速度が早まると考えられています。

インプラント治療後は、歯科医院でメンテナンスを受診しましょう

インプラント歯周炎を予防するためには、その原因である細菌(プラーク)を除去することが有効です。また、インプラント治療した以外の歯の細菌も除去することで、口内全体の細菌が減りあらたな細菌の蓄積を防ぐことにも繋がります。

インプラント治療後も、細菌を取り除くためのメンテナンスを歯科医院で定期的に受診することで、インプラント歯周炎の予防に繋がります。インプラント治療をご検討の方は、このメンテナンスの大切さを知っていただければと思います。

インプラント治療後に違和感を感じてしまった場合

すでにインプラント治療をうけた方が、インプラント治療箇所の周辺の違和感を感じてしまった場合には、お早めにかかりつけの歯科医師にご相談されるか、当院へご相談ください。他医院で治療した箇所でも、私たちが治療できる場合もあります。

インプラント歯周炎にかかってしまった場合には、細菌除去(クリーニング)を行います。あまりにもひどい場合は麻酔をしてインプラントを清掃する場合があります。繰り返しになりますが、違和感を感じたらお早めのご相談がお勧めです。

ご自身が行うケアも大切です

インプラント治療後は、ご自身がご自宅で行うケアも大切になってきます。丁寧なブラッシング、フロスなどを使ったプラーク除去、喫煙習慣を辞めるなど、様々なケアを続けることで、インプラント歯周炎の予防に繋がります。
ご自宅で行うケア方法を歯科医師やスタッフに教えてもらい、丁寧なケアを継続してください。

インプラント周囲炎にかかってしまった場合には、早めの相談と粘り強い細菌除去(クリーニング)を。
インプラント歯周炎を予防するためには、ご自宅でのケアと歯科医院で受診するメンテナンスを。これらを継続することが、治療した箇所を守り、将来に渡って噛むことを楽しめる生活に繋がります。

この記事をお読みいただいた皆様のインプラントが、長い間持続できますように。インプラント治療後のメンテンナンスの大切さを知ってください。