ドクターズコラム

治療技術の他にインプラントメーカーも重要視する理由

カテゴリ:ドクターズコラム

こんにちは。かわさきデンタルクリニック院長の川崎です。

インプラント治療にまつわる、さまざまな情報を解説している「ドクターズコラム」、今回のテーマは、インプラントの「メーカー」です。

インプラント治療で使用するインプラント体(歯槽骨に埋入する歯の根っことなる)は、かぶせ物(インプラントの上部に取り付ける人工歯)のように歯科技工士がつくるのではなく、国内外のメーカーが製造したものを使用します。

当院で行っている、インプラント治療に関するご相談やカウンセリング時に、以下のご意見やご要望、ご質問をされる方が多くいらっしゃいます。

・安全、安心で長持ちするメーカーのものを使ってほしい。
・主要メーカーのインプラントの違いやシェア率を知りたい。
・安全・安心で長持ちするインプラントを製造しているメーカーの傾向が知りたい。

インプラントは顎の骨(歯槽骨)に埋め込まれた後に骨と結合し、ご自身の体の一部となるものです。

したがって、どんなメーカーのものが使われるのか、気にされるのは当たり前です。

また、せっかくインプラントを埋入するのだから、長く安心して使いたい、そのために信頼性の高いメーカーのものを使ってほしい、とお考えになるのも自然なことです。

日本国内で採用されているインプラントメーカーと国内シェア率

インプラントを製造しているメーカーは世界中に多数存在しており、日本国内で採用されているところだけでも30種類になると言われています。

日本にも複数のメーカーがありますが、実は海外の方が研究開発において先行しており、多くの海外メーカーが骨との結合や長期間使用などに関して充実した臨床データを蓄積し、公開しています。

こうしたことから、日本国内でも海外メーカーが高いシェアを獲得しています。

特に以下の3社が「3大インプラントメーカー」として知られています。

世界3大インプラントメーカー

ストローマン社(スイス)国内シェア率30%

1974年から臨床使用されているメーカー。
70カ国以上で1,400万本以上の製品が治療に使用されており、日本国内はもちろん世界的にもトップクラスのシェアを誇ります。

世界最大のインプラント歯学非営利学術組織ITI(International Team for Implantology)との提携などにより長期的な臨床研究を行っており、豊富なデータを通じて製品の信頼性と安全性が証明されています。

ノーベルバイオケア(スイス)国内シェア率17%

世界で初めて(1965年)臨床使用された歯科用インプラントのメーカーをルーツとする企業で、インプラントを中心とする歯科修復分野の世界的リーディングカンパニーとして事業を展開しています。

様々な症例に対応できるよう、インプラントの形状やパーツなどのラインアップを豊富に取り揃えていることが特徴です。

アストラテック(デンツプライシロナ社/スウェーデン)国内シェア率13%

1899年に設立された歯科医療を扱う会社をルーツとしており、歯科医療において100年以上の歴史を持つ企業。

世界で高いシェアを獲得しているインプラントメーカーの共通点

1985年よりインプラント製品が臨床使用されています。
インプラントのデザインが天然歯に近いものとなっており、仕上がりの美しさに定評があります。

高いシェアを獲得している有力メーカーに共通する特徴の1つが、長期に使用した場合の臨床データが豊富に取得されていることです。

これらのデータを参考にすることで、そのインプラントが欠損したり抜け落ちたりすることなく、5年、10年と長期にわたって安心して使用できるメーカーか分かります。

インプラントメーカーの情報収集

もちろん、有力メーカー以外にも長期使用に耐え得る製品を開発しているところは数多く存在し、比較的安価な製品を市場に送り出しているメーカーもあります。

歯科医院の中には、そうしたメーカーの製品を使用することで治療費を抑えているところもあります。

多くのメーカーはインターネットなどで自社製品について紹介を行っているので、インプラント治療を検討する際は歯科医院にどのメーカーの製品を使っているか質問し、ご自身で情報収集することも大切だと考えます。

当院で採用するインプラントメーカー”ストローマン社”について

当院は以下の理由から、シェア率の高い3大インプラントメーカーであるストローマン社のインプラントを採用しています。

・骨との結合力が高い

これにより治療期間を短くできるほか、インプラント埋入後の脱落リスクを抑えられます。

また全長が短いものもしっかり固定されるため、歯槽骨が細く高さのない日本人の骨格に適していると考えられます。

・臨床実績と研究データが充実している

エビデンス(科学的な根拠)重視の姿勢から臨床研究を積極的に展開しており、データも豊富に取得されています。

長期使用におけるインプラントの生存率の高さやインプラント周囲炎発生率の低さも臨床研究で示されており、長期間安全に使用できることが立証されています。

・国内シェア率が高い

メーカーにより製品の規格などが異なるため、複数本の治療を行う場合はできるだけインプラントのメーカーを統一することが望ましいとされています。

ストローマン社は国内シェア率も高いため、一度治療を受けた後、引越しなどにより万が一その歯科医院に通うことが難しくなっても、次に治療を受けられる歯科医院をスムーズに見つけることができます。

一方、ストローマン社の製品は高価なため治療費も高額になりがち、という留意点もあります。

当院では、歯を失ってお困りの受診者の方に、なるべく早く「自然な感覚で噛む力」を回復し、それを長く保っていただくため、ストローマン社の製品を使用しています。

このように、歯科医はそれぞれ、自分の経験や考えに基づいて採用するメーカーを決めています。

どのメーカーの製品を使っているかで、その歯科医院が治療において何を重視しているのかを把握することができます。

無料相談・カウンセリングを実施しております。お気軽にご連絡ください

当院ではインプラント治療に関する無料相談を実施しています。

「自分がインプラント治療を受けられるか確認したい」「具体的にかかる費用が知りたい」という方は、電話やインターネットでお気軽にお申込みください。

専門知識を持つインプラントコーディネーターがお話やご相談をお伺いし、疑問にお答えいたします。

当院へのご予約・お問い合せ

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ご不明な点がございましたらお電話・お問い合せフォームからご連絡ください。


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インプラントは埋入後、長期にわたって使用するものです。

メンテナンスを適切に行う、硬いものを頻繁に食べるなどで過度な負荷をかけない、といったことを心がけて適正使用していれば確率は低いですが、まれに欠損や脱落が起こることもあります。

そんな時、インプラントのメーカーだけでなく製品名や型式なども把握しておけば、スムーズな治療につなげることができます。

当院ではインプラント治療を受けた受診者の方に、使用したインプラントの詳細を記載した「インプラントパスポート」をお渡ししています。

ご自身の体の一部となり、長く生活を支える存在となるインプラント。どのようなメーカーでつくられたものなのかに関心をお持ちいただくことをお勧めします。

医療法人かわさきデンタルクリニック 理事長・院長 川崎 豪彦