ドクターズコラム

技術で差がつくむし歯治療

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むし歯治療は、保険適用の治療法ならばどこの歯科医院でも同じとお考えの方が多いようです。保険適用で行う治療の場合、使用できる薬剤や補綴物、治療時間などの規定はあります。その点では、どこの歯科医院でも同じといえます。

しかし、治療の技術は、歯科医院ごとに差があります。
治療を行うのは、歯科医師。個人が持つ技術の差が、むし歯治療にそのまま直結するといえます。

治療技術とはなにか?と考えてみると・・・

  • 診断
  • 削る量を最小に
  • 補綴物の適合がいい仕上げに
  • この3つがポイントとして挙げられると思います。

    診断について

    診断は、治療期間と治療方法を決定する役割があります。
    虫歯の状態を見極め、患部をどれくらい削る必要があるか、また削らずに処置できる方法があるかを検討します。自由診療を導入すべきかどうかの判断もこのタイミングです。ですから、患者様へ治療方法をわかりやすく説明できるコミュニケーション力も技術の一つとして必要とされます。

    削る量を最小に

    たとえ、むし歯になってしまったとしても自分の自然な歯はなるべく削らずに残しておきたいものです。そういう意味では、必要以上に歯を削らないことが要求されます。この時、薄く丁寧に削れる技術が求められます。髪の毛を切ることを想像してもらうとわかりやすいと思いますが、一箇所を数ミリ切りすぎてしまうと、その周辺も合わせて余計に切らなくてはなりません。歯も同じです。必要な箇所を必要最低限だけ削ることができれば、余計な箇所を削らずにすみます。むし歯になってしまったとしても自分の歯を残すためには、削る箇所を的確に定め必要最低限だけ削る技術が必要なのです。

    補綴物の適合がいい仕上げに

    自分の歯と補綴物の適合がよくなるよう歯を滑らかに仕上げる事が大切です。的確に削ることができても、歯の表面がガタガタでは、型取りの時に歯の形を正確に再現することが難しくなります。滑らかで真っ直ぐな歯に仕上げることで、補綴物を正確に加工することができるのです。

    以上、3つのポイントを挙げて、むし歯治療技術の違いを解説させていただきました。目に見えにくい部分ですが、この記事をきっかけにして、意識してくださる方が増えると嬉しいです。

    ちなみに、研修医時代のわたしは、深夜まで模型を削り続けていました。そのおかげで、滑らかでまっすぐな仕上がりにするのがとても得意です。一日中この作業をしていても飽きません。と言っても、患者様の歯を削りすぎることは決してありませんので、ご安心ください。

    最近では、その技術を認めてもらえているようで、大阪在住の歯科医師の方も治療を受けに来てくれています。こうやって、自分の努力が認めてもらえることは、とても嬉しいものです。